2013年11月25日月曜日

田舎の実家を解体したところ

誰も住まなくなった実家の建物を取壊したところ、共有者に訴えられたという相談を受けた。
この方、父母を亡くされたため、今はもう誰も住まなくなった老朽化した建物を解体してしまった。それは、ご近所からのクレーム(火事になったら困る、草木が伸び放題、不審者が住みつく、建物が倒壊する可能性など)があり、それに応える形で共有者(親族)の了解を得ずに建物を解体してしまった。
田舎であり、売りに出しても買う人がいない。賃貸需要もない。自分も会社勤めであり、Uターンすることはできないし、Uターンしたところで仕事はない。このまま放置することはできないと判断して思い出深い建物を取壊したのは苦渋の選択だったし、長男としての義務だと思ったそうだ。

けれど、建物を取壊せば土地の固定資産税はおよそ6倍に跳ね上がる。共有不動産については簡易な保全・修理を除き、その処分等については共有者の同意が必要であることに気がつかなかった。結果として良かれと思ってしたことが裏目にでてしまったケースである。

これから先、このような実家の処分問題はどんどん増えてくると思う。建物を放置することはできない。けれど解体すると固定資産税が跳ね上がる。ならば建物を壊さずに維持管理するとなれば、一体、誰に任せればいいのだろうか?その費用は安くはないだろう。このような問題は、田舎に実家があり、年老いた親が独居している人にとっては、近い将来、現実的な形として問題となる可能性は十分にある。けして他人事ではないのだ。

この点、老朽化した建物の取壊しに係る費用に補助金を出したり、固定資産税の減免を講じたりしている地方公共団体もあるから、まずはこのような制度があるのかどうか、不動産の存する行政機関に相談することも重要である。
それから、やはりこのような状況になる前に、地元の不動産業者に、建物の管理をしてくれるのかどうか、建物の点検、維持管理方法、それと費用について事前に相談してみることも必要だと思う。そもそも、実家の不動産を売却できるのかどうか、賃貸は可能かどうかについても把握することが先決かもしれない。


田舎だけの問題と考えられるが、都心から50キロ圏内の地域でも人口減少と老齢人口の増加、不動産需要の低迷が現実化している地域がある。特にインフラが進まない地域や山あいで、緊急自動車などが入れないような街路整備が遅れている地域などでは、不動産の新規需要は希薄となっているのが実態である。

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2013年4月9日火曜日

費用をかけず、内覧会(竣工検査)も自分で乗り切るぞ!

  最近では新築戸建の最終検査(竣工検査)を買主(施主)みずから立ち会って行なうケースが増えている。
   私はこれをサポートするため、一般の人にもできるだけ使いやすいチェックマニュアルを公開しています。よろしければご覧下さい。

⇒ http://kenchiku-kensa.com/k-manual.html(竣工検査 戸建内覧会マニュアル)

  また、マンションについても、チェックマニュアルを公開していますので、ご覧下さい。
   このマンションのチェックマニュアルは、ちょっと恥ずかしいネーミングですが、分かりやすいと思いますよ。

⇒ http://www.professional-eye.com/manual.html (32歳ご夫婦が2人でできるチェックマニュアル)

 

2013年4月8日月曜日

木造住宅は20年でタダになる?

木造の中古住宅の市場価値は20年でゼロ。
独断で言っているのではありません。現在の日本の中古住宅市場が木造住宅は20年も経過すれば価値ゼロと評価しているのです。
仮に2,000万円で木造住宅を建てたとして20年で価値ゼロならば、年間100万円の目減りという計算だ。実にもったいないことだと思う。
といっても、使用価値はあります。使用するのに殆ど問題がないことが多く、基礎や土台、壁、柱などの構造躯体には特段の劣化はないのが通常。ある程度のリフォームをすれば見た目で新築とそう変わり映えしない状態になるハズ。
ただ、住宅を買うため仲介業者(不動産業者)に中古住宅「古家あり」とチラシに記載された売り住宅に案内された時に、設備の古さが目について「やっぱり建て替えだな」と思ってしまう。つまり、見た目だけで判断して、リフォーム後のイメージがつかないのだ。
「古家あり」とは、20年以上経過した建物について、建物価値ゼロを前提に売値は土地価格のみという意味で扱われる物件です。
40年も経過した住宅なら「古家あり」で建て替えはやむを得ないけど、20年~30年のスパンでは、まだまだ使える住宅は市場に溢れている。
日本の住宅業界は、スクラップ&ビルドを繰り返してきた。それは住宅業界だけではなく大量消費を前提とする経済社会ではそれなりの合理性があったものと思う。消費者も「新築主義」であったし、金融機関も「新築」には特段の配慮を持って融資を行ってきた。
もうそろそろ、そういう新築主義はやめよう。
経済性から見ても、古い住宅に手を加えて居住する方がはるかに安上がりとなる計算だ。

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2013年3月28日木曜日

新しいリフォームビジネスか


 最近では都市部においてもアパートの空室率が急増中だ。
 それを逆手に取ったビジネスがある。
 本来はリフォーム業者なのだが。空室の多いアパートの大家に接触し、空室のリフォームを請ける。ここまでは普通だが、違う点はその部屋を家賃保証して転貸することだ。
 つまり、大家からアパート一棟を借り受け、表面上は自らが貸主として入居者に貸すという方法。宅建業者を兼ねるリフォーム業者というところだろうか。
 家賃保証料は住宅メーカーよりやや高めだが、空室が多く赤字続きの大家にとっては安定した収入を得ることができる。業者はリフォーム料と保証料を得る。さらには管理会社として入居者から仲介手数料のほか、更新料も戴ける。新たに空室がでれば、リフォームをさらに請け負える。
 大家にとってもリフォーム業者にとっても、空室がなくなれば良いシステムなので、お互いにウインウインの関係が成り立つといったところだろうか。
 管理物件が増えなければ危険率も高いビジネスだが、地域性を十分に熟知し、リフォームをすれば入居率が増加するだろうと考えられるアパートを受注して棟数を一定以上確保できれば、十分に成り立つシステムかもしれない。
 

2013年1月20日日曜日

ペット可の賃貸住宅の供給が望まれる

賃貸住宅で、以前はトイレ・バス別、ガスコンロ付き、20㎡以上という単身者の賃貸需要が多かった。ところが、土地の有効利用のため、または収益性重視のため、小さい専有面積のワンルームが多く建てられてきた。全く賃貸需要者を無視した賃貸住宅の供給が相次いだのだ。バブル崩壊から20年を経過して、漸く需要者に配慮したワンルームマンションが多く供給されるようになった。
しかし、ペット可の賃貸住宅はきわめて少ない。ペット需要は年々増えている。また、ペットにかけるお金は年々増えている。なのに、ワンルームに限らず、賃貸住宅全体でペット可物件の供給は極めて少ない。
日本においては東京都心部を除き、少子化の影響から賃貸住宅の空室率は年々増加している。全国平均でも空家率は13%を超えている状況にあって、安定的な入居率を確保するのは賃貸オーナーなら誰でも考えることだ。
今、ペット可の物件を供給することは、需要者のニーズをとらえるとこになるだろう。ペットを飼うのもよし、飼わないのもよしという選択が需要者に可能な賃貸住宅の供給が望まれる。

2013年1月16日水曜日

賃貸の礼金

シーズンに入ったからか、最近テレビで賃貸CMが多い。デフレを反映してか礼金ゼロの物件が多い。けど、礼金ゼロは当たり前かも。
欧米人は礼金を理解できない人は多い。つまり、毎月賃料を払うのになぜ礼金(オーナーズマネー)が必要なのか?答えに窮する。日本の慣習としか言えない。
一方、合理的な欧米人は敷金については理解が早い。ディポジット(預り金)だから当然と考える。でも、退出の時に敷金から清掃費などを控除されるのは納得できないという。ディポジットなのだから、滞納がなければ100%返還されるべきもの。
確かにその通りだと思う。なぜクロスの張替えを退出する入居者が負担しなければならないのか?特別な場合を除き、その費用を退出する入居者が負担させる理由は見つからない。だって、それは新しい入居者のためにオーナーが負担すべきもの。退出する入居者が価値を高める必要はない。
クロスの耐用年数は6年。仮に6年以上住んでいたのなら、クロスの張替え費用は100%オーナーの負担になるはず。タバコを吸うからというのもダメ。タバコを吸うことは通常の貸室使用の範囲内で特別なことではないから。
また、入居の際に鍵交換費用とかとられるけど、これもおかしい。入居者が新しくなるため鍵を交換するのは、オーナーの負担とするのは当然ではないか。この点は私も納得できない。
礼金ゼロはデフレにより入居時の負担を軽減するための一時的、短期的なことではない。たぶん継続すると私は考える。なぜなら、現時点においても賃貸需要よりも供給が多く、この先、少子化を反映してますます競争は激化することが予想されるからだ。東京区内以外は空室率はどんどん上昇するだろう。
今後、合理的な観点で賃貸契約がされることが徐々に進むことになりそうだ。
現時点において、そういう点について真摯に考えることのできるオーナーは少ないかも知れない、けど、時代の変化はオーナーが考えているよりも早いことを忘れてはならない。