2015年12月6日日曜日

用途地域だけでも新築マンションの周辺環境が分かるよ

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 まず、都市計画法の用途地域に留意したらいいと思います。

 用途地域とは、都市計画法の地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的としている。 住居、商業、工業など市街地の土地利用を定めるもので、第一種低層住居専用地域など12種類があります
 このうち、気を付けなければならないのが、準工業地域、工業地域、近隣商業地域、商業地域でしょう。

 準工業地域は「主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域

 工業地域は「主として工業の利便を増進するため定める地域

 近隣商業地域は「近隣の住宅地の住民に対する日用品供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域

 商業地域は「主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域

 という風に都市計画法では定義しています。それぞれの文言のニュアンスの違いがわかりますでしょうか。
 
 そのマンションが準工業地域に指定されている地域に所在するのなら、近くには町工場が散在しているというイメージです。ですから、多少の騒音や異臭もするかもしれませんね。でも、マンションに実際に住んでから文句は言えないのです、そういう地域だから。

 工業地域は小規模・中規模な工場が建ち並んでいるというイメージです。このような立地は工場が優先される地域です。ですから、大型のトラックが昼夜関係なく行き交い、騒音や異臭等も当然準工業地域よりもあると考える方が良いですね。ただ、工業地域のマンションは大規模工場の跡地の場合が多いですから、マンションの敷地は広く、植栽等の配慮をされたマンションも多いことも事実です。

 近隣商業地域は私鉄の小さな駅前の商店街など、お蕎麦屋さん、定食屋、ファーストフード店やパチンコ店、物販店、八百屋やパン屋さんなどが軒を連ねている地域です。このような地域には狭い土地を利用した都市型マンションが多いですね。駅から近く生活利便性は高いのですが、やはり雑多な感じの街ですから居住環境は良いとは言えませんね。

 商業地域は主として商業の利便性を増進する地域ですから、第一に商業立地を考える地域で、比較的大きな駅の駅前だとか幹線道路沿いのビルが建ち並ぶ地域や繁華街、事務所街などです。
 
 容積率が通常400%以上ある地域なので、売り主としては土地の立体的利用が図れるため、特に都心部においては高層のマンションが見られます。

近隣商業地と同じように居住環境は劣ると言えますが、もっとも留意しなければならないのは、日影規制が無いということです。もともと商業利便の地域ですから、日照なんて考えなくてもいいということです。

 したがって、南側に空地がある場合には境界ギリギリに新しいマンションが建てることが可能です。真っ暗です。


 この地域のマンションを購入する場合にはマンションの開放面が広幅員の道路に面しているかどうか、開放面の前の隣地の現在及び将来に亘る土地利用の予測をしなければなりません。境界ギリギリに建てられたマンションで問題になるケースは意外と多いです。

 もっとも居住に適しているのは第一種低層住居専用地域です。第一種低層住居専用地域は「主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」で、このような地域では、原則として3階までしか建ちませんので、この地域に建つマンションは都心部では、すべからく高級マンションです。

 以上より、パンフレットに記載されている都市計画上の用途地域の確認は重要です。だいたいこの手の記述は小さい字でごちゃごちゃと記載されていますので、隅々までパンフレットを読み込むことが必要と思います。


 

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